■ 小国村の古文書資料

江戸時代に二つの古文書が書かれて、今に残されている。

「沢内風土記」

武士が残した立派な漢文体の文書である。

沢内に乞食がいない、とわざわざ記している。

珍しいことで、この地域の人々の互助精神の強さを称えているのである。

婚礼や祭りには一切合財を飲み果たし、余暇には博打遊びが流行っていたとある。

鳥のように山野を走り、棒術を使うともある。

なぜか特に、脚を伸べて人を待つ習慣があると記している。

印象深かったのであろう。

当時としては寺の構えがどれも立派で、村人の信仰心の厚いことも特記されている。



参考までに、中国伝統の任侠美学を打ち立て輝かせた、長編盗賊物語水滸伝のダイジェストを読むと、よく出てくるのが、拳術と棒術である。

日本国の武道にはまずないものである。

また目立つ特徴に、食事といえば肉を盛り上げ酒を飲む。

更には、これは沢内通の風俗とは無関係のことであるが、よくあることのように、人狩り強盗が登場して、峠の飯店で人肉饅頭を売っていたりしている。

そして自分の一族を連れて、108人の主人公の一人として活躍するのである。



もう一つの古文書が、「小国村年代記」である。

これは、ある村人が書き始めて、その写本が分けられて更に各地域で書き加えられたものである。